ふと、昔、乳がんの方を撮影したことを思い出した。
都内にある小さなスタジオでカメラマンをしていた時のお話。
どこにでもあるような小さな写真スタジオで、
アイドル、声優、女優さんの宣伝材料や、お見合い写真、
活動用のプロフィール写真を撮っていた。
撮影前に、お客さんに何用の写真かを必ず確認していて、
大抵、予約時にそれを聞いて、朝の申し送りで確認するのですが、
プロフィール写真なんだけど、一人用途がわからない人がいるので、
ヒヤリングをしっかりしてほしいと言われた
大抵プロフィール写真だと、講演会講師の写真が多いのですが、
なんか電話の感じがなんか違うらしい。
ヘアメイク付きのコースなので、ヘアメイクさんにヒヤリングをしてもらって
伝えてもらうことになった。
当日カメラマンが三人いて、何故か私のところにヘアメイクさんと店長が…
で、ヘアメイクさんが聞いたのが、そのお客さんが乳がんであるということだった。
乳がんで、抗がん剤をするため、髪が抜けてしまう、
胸まで伸ばした髪をきる前に写真を残しておきたかった。
とのこと。
他にもカメラマンはいるけど、男性だしデリケートな話だから
指名じゃないけど女性カメラマンを押したい、いけるか?って言われて、
なんか妙な使命感が沸いて、あぁ、これ私が撮らないといけない
撮ろう。私がって思って、カメラをとった。
その方はとても若くて、私より何個か上かな?くらいなので
20代後半くらいだったと思う。
とても明るい笑顔で、爽やかな、とてもきれいな人だった。
乳がんのことも彼女から私に話してくれた、
今思えば、ちょっと空元気というか、無理に気丈夫ふるまおうとしているみたいな感じだった。
野外での撮影コースだったので、女性ヘアメイクと女三人で
いろんなポーズでこんなのは?こんなのいいじゃん!って撮影した。
彼女は写真撮れてよかったって撮影のあとも笑顔だった。
今、その彼女は元気だろうか…ふと、思い出した。
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